臨床工学技士は1987年に誕生した比較的歴史の浅い医療専門職ですが、今や全国津々浦々の透析施設に配属されるようなりました。臨床工学技士は別名Clinical Engineer (CE)と称し、医療機器に関連する工学的分野だけでなく、実臨床においても患者さんに直接手を下す業務を行っています。
私どもの光寿会技士部でも40名を超えるCEが他の医療専門職とともに働いており、透析機器と関連装置の保守管理、操作はもとより、治療に供給する透析液の厳格な清浄化に取り組み透析患者さんに安全で安心できる治療体制を提供しています。また透析治療の根幹をなす適正体重の設定に多周波数インピーダンス法を活用し、過不足の無い除水を目指すとともに栄養状態の把握にも役立てております。穿刺に難渋するシャントには、超音波診断装置によるエコーガイド下穿刺を行い、安全確実な透析操作に努めております。さらに学術分野では日本透析医学会をはじめ、さまざまな学会において研究発表を行うだけでなく、数多くの論文を公にし、透析医療の向上に寄与しております。同時に臨床検査技師もすべての施設に配属されており、全患者に対して定期的に心・腹部エコー検査を施行し異常所見の早期発見に努めております。
私どもは「いのちのエンジニア」として患者さんに寄り添い、得意とする技術的観点から皆様のお役に立てるよう、今後も邁進してまいります。
統括技士部長
血液浄化専門臨床工学技士 柴田昌典